トランジション・ディフェンス3(戻り)
アメリカのコーチが最も嫌うことの一つに、ゲット・バック(戻る、帰る)をしないプレイヤーの行為がある。これはオフェンスからディフェンスに切り替わる場面を言う。なぜ最も嫌われるかと言うと、1つにオフェンスのミスについてディフェンスでもミスをすることになる。つまりミスの上塗りになる。そして2つ目に、相手に対して確率の高いシュートチャンスを与えてしまうことになる。過去の書き込みを思い出してもらいたいのだが、確率の高いシュートをさせないのはディフェンスの鉄則。それを許すのはディフェンスを放棄することに等しい。
ちなみにアメリカで質の良いゲームを見ると、トランジションをフリーでレイアップもしくはダンクさせてくれる場面などない。そのどれものアテンプト(試み)がコンテスト(ブロックなり、チャージングなり、ファウルなりの接触)されている。フリーでシュートをうてる場面は無いのである。これは必ずしもオールコートに限った話ではなく、ハーフコートでも同じ。日本のバスケットシーンとアメリカとのそれを比較すると、ハーフコートでフリーな場面は共に少ないかもしれない。(厳密に言うと、台形近くではアメリカにおいて全くと言っていいほど何もできない)但し、オールコート、それもトランジションの場面ではフリーなことは無い。ゴール前に誰も居なくても、後ろから最低2人がブロックに跳んでくるのがアメリカのバスケットなのである。
よく、日本が国際大会で解説者もしくはアナウンサーから「どれだけシュートを決められるか」という言葉を聞くが、それは違う。「どれだけシュートをうたさせてもらえるか」になる。違いが分かるだろうか?数字で表現すると、前者はシュートの成功した数のことを言っているが、後者はシュートを放った数のことを言っている。確かにアナウンサーの言わんとしていることは分かる。だが、現実はどれだけの本数を放つことが可能であるかどうかであり、ここに真のディフェンスがある。FG%を下げるには分母を小さくすることも重要である。
バスケットボールがいかに走り、いかに跳ぶことに密着したスポーツであるかは今回よく分かったのではないかと思う。戻ることの重要性。全てのシュートに対してコンテンスト(挑戦)することの重要性、そしてそれが質の高いディフェンスであること。重要である。